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カテゴリ:アンテナ( 217 )

花笑み

お花を扱う人が、
他の人により得する事って何だと思う?

私が思うに、
―花笑み―が見られることなのでは―。



市場に上がる切花は、
各生産地でカットし箱に入れられて、
遠路 仮死状態のまま中央に運ばれてくる。
水が下がっている状態。
枝先、葉先に水が行き届かず、
一見すると、しおれている状態―と言った方が解かりやすいだろう。

私達フローリストは、
そんな仮死状態の花達に、
命を戻す事も仕事のひとつ。

切り口を新たにし、
茎を割ったり、湯につけたりして、
水を吸いやすいように花に手助けをする。

この時に花の喜びが眼に見えて返ってくる事がある。

         ―花笑み―

先輩フローリストが教えてくれた言葉だ。
水揚げをし始めた花たちは、
一気に水を吸い上げて自分の身体の隅々まで水を運ぶ努力をする。

水を吸い上げた反動で、
曲がっていた茎がまっすぐになった時、
隣の茎と触れ合って、
動かない筈の花がプルプル動いて見えることがある。

これを―花笑み―と呼ぶ。

花が生きていると実感する瞬間だ。
まるで小さな妖精達が、
花に魔法をかけながら花の間を飛び交っているような錯覚さえ覚える。
こっちでプルン、あっちでプルン。

表向きには知られていない、
花屋の裏方の仕事へのご褒美。

花からのプレゼントを、
私は毎日もらっている。
by hanatsudoi | 2007-10-13 08:42 | アンテナ | Trackback | Comments(0)

どうして私は花を愛しているんだろう -3-

変わらない姿を見せるって、
とっても優しい事



自然の風景、
特に植物においては、
人が手を加えない限り、
春夏秋冬季節の移り変わりに合わせて、
10年前、20年前と同じように、
芽を出し、茎を伸ばし、蕾をつけ、花を開き、朽ち枯れていく―
この情景を繰り返し見せてくれる。

この植物の一連の変化は、
生を受けたものが亡くなるまでのストーリー。、
全てに与えられた命の象徴が、
一本の植物に見られるということが素晴らしいと、
今まで私は思っていた。

最近、自分の内部のいろいろな変化で、
また違った見方を始めるようになった。

私達の目の前にある光景は、
子供の頃に見たものと全然違う。
泥まみれになって遊んだ広場や、
オタマジャクシをすくった水溜りは、
今ではもう見られなくなった。

しかし、植物は10年前と変わらない姿で、
こちらが1年前のことでさえすっかり忘れているにもかかわらず、
季節を違わず同じ場所に芽を出す。

―何て優しい姿なんだろう―
と最近感じるようになった。

私達は生活環境や考えを、
日々変化せざるをえないようなスピードの中で生きている。

そんな中、毎年変わらない姿を私達に見せてくれる小さい命。
見つけた瞬間、心が元の居場所にすーっと戻る。
無欲で不変。
そこに私は優しさを強く感じる。
儚い命の中に大きな母性を見る思いだ。

今日も道端の草に優しさを感じながら、
駅まで向かう事にしよう。
きっと、いい日になるに違いない。




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                   都立 石神井公園
by hanatsudoi | 2007-09-18 08:17 | アンテナ | Trackback | Comments(0)

どうして私は花を愛しているんだろう -2-

医食住花


私の基本理念。
花は元気に生活するための環境づくりに非常に重要なもの。

生活の中の実例を挙げてみましょう―

我が家のバルコニーには緑が沢山ありますが、
これは最も正確な、
私の健康のバロメーターになっています。

例えば緑が生き生きとしている時、
水遣りや手入れが行き届き、
私が植物に対面する時間をきちんと持っている証拠になるのです。

逆に考えると、
植物が枯れてきたり、元気が無い時は、
水遣りをする時間を惜しみ、
あるいは生活の事に目を向ける事ができずに、
自分が時間に追われているという表れとなるのです。

生き生きと植物の命が保たれている時は、
自然と周囲の出来事が上手く回っているように感じます。
何だか上手くいかないなーという時には、
バルコニーの手入れを怠っていることにとふと気づいたりして。

切花の場合も同じ。
花瓶の水を毎日取り替えることの出来る、
ゆとりと配慮のある生活を送れているでしょうか。
気がついたら花が枯れ…水が腐ってどろどろだった…
という経験は誰でも一度はあるでしょう。

植物のパワーが日々の生活に連動していることを強く感じます。
植物を大事にしていると、
必ず何かが彼らから私達に返される。

是非、身近で実感して欲しいのです。
植物とのコミュニケーションを。


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by hanatsudoi | 2007-07-10 10:26 | アンテナ | Trackback | Comments(0)

どうして私は花を愛しているんだろう -1-


自然に通じる扉を花は持っている



花は人間の生活の営みと密接に係わってきました。

冠婚葬祭

よく考えてください。
花の無い場面を想像できますか?
人生の節目節目の傍らに、
しっかり存在してきた大事なもの―それが、花です。

人間の心、
嬉しい、寂しい、悲しい、喜び、嘆き…
全ての感情に寄り添えるのが花。

素晴らしい!!

毎日手に触れる花達の役割に感謝します。
私がおおむね幸せを感じて生きていられるのは、
日々花に触れているからかもしれません。

見渡すと、社会はサイボーグのような人間作りに頑張っています。
感情を自分でコントロールできるようになる事は素晴らしい事ですが、
一度感じた、悲しみや怒りのコントロールを本当に出来る人がどれほどいるでしょうか。
気づかぬふりのテクニックが上手くなっただけのような気がしてなりません。

生きた花に触れてみましょう。
その時に何も感じなくても、
何回か触れていくと何かを感じ始めるでしょう。
生きているものには自然への扉が在ります。

昔から、花と人間は友達。
この大事なパートナーの存在を忘れないでいて欲しい
そんな事をいつも思っています。
by hanatsudoi | 2007-07-02 10:14 | アンテナ | Trackback | Comments(0)

ギフトのサンキューメール

お花の注文を頂くと、
少ない情報からいろいろな事を考えて制作しています。
その思いが相手の方に伝わったと分った時、
とても幸せな気分になれるので、
お花を作ることが喜びに繋がります。
そんな気持にさせてくれた、
サンキューメールをご紹介します。



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先日は、急なお願いに対応していただき有難うございました。とても鮮度が良かったので、展覧会が終わった後、我が家に持ってきまして楽しんでおります。有難うございました。またねー! 


展覧会の受付に飾りたいということでお作りしたアレンジ。
展覧会期中一週間をなるべく持つようにと考えた花選びです。
また、会場に明るい雰囲気を演出できるようにと華やかな色を選んであります。


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こんばんは。さっそくかわいいお花を送ってもらい感謝してます。本当に素晴らしいセンスでいつも期待を裏切らないというか、サイコーです。私が先に早死にしたらお花を飾ってね

お若くして脳外科の手術を受けられたという女性に贈るお見舞いのお花。
おそらく長い入院生活を余儀なくされていると思い、
変化の無い病室でなにか楽しめるようにと考え、
なるべく成長が目に見える花を選択。(茎が伸びるとか)
他に妖精,てんとう虫、鳥などをさりげなく入れました。
by hanatsudoi | 2007-06-13 09:49 | アンテナ | Trackback | Comments(0)

2007年度 母の日ギフト 制作舞台裏

今年のHANATSUDOI 母の日ギフトは、
―まるで鉢植えのような―
デザインのお花をお届けしました。

ご注文頂いた皆様、
ありがとうございました。
薔薇のエスタがほぼ満開状態で、
多くのお母様方のお手元に届いたようです。

通常、薔薇が花芯まで人目に見せてくれる事はあまりなく、
花が開ききらないうちに首が垂れる事が多い中、
このエスタは惜しげもなく咲ききってくれます。

そんな健気な薔薇の一生を見届けて頂けたら、
嬉しく思います。

HANATSUDOI 母の日フラワーギフトの記事は、
5月末日までUPしておりますが、
6月以降は非公開とさせていただきます。
ご了承下さい。


鉢植えのようなデザインがおしゃれなアレンジ
     今年は、ぱっと見ると、
     鉢植えかなーと思うような、
     ちょっと面白いデザインでお届けいたします。
     すくっと上に伸びる線と、
     足元をしっかり支えるグリーン。
     爽やかな風が通るような空間をデザインしてみました。
     お花が終わった後、
     いろいろに利用できる器を選んであります。




市場仕入れ秘話

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     いつもは簡単に手に入るドラセナ(グリーン)が、
     極端な品薄で苦労しました。
     また例年の事ながら、
     全体的にお花が高騰しているのにビックリ。
     今年のトピックスは写真の薔薇、
     名前は“エスタ”といいます。
     ちょっとブルーが混ざった爽やかなピンク色が特徴です。
     (写真では少しサーモンピンクのようになっています)

   
     母の日ギフトの全サイズに入っています。
     この綺麗な薔薇を是非楽しんで頂きたく、
     頑張って手に入れました!
     比較的日持ちもします。
                                ―発送時のリーフレットより転記―
by hanatsudoi | 2007-05-17 20:37 | アンテナ | Trackback | Comments(0)

母の日のフラワーギフト企画が出来上がるまで

昨日は、母の日。
何件かお電話も頂きました。
無事到着し、
喜んでいただけたようで嬉しいです。

今年はデザインがかなり個性的だったので、
お母様世代にどのように受け取られるか、
興味がありましたが、
結構好評です。

特にシリンダーに入っているAのお花は、
お花が終わった後、
この器を使うのがまた楽しみ…という声も数件頂いています。

配色が素敵…とか、
珍しい花が入っている…とか。
そんな声もあります。



3月に入ると母の日の企画を考えます。
私のお花を選んで下さる方は、
普通の花屋さんでは買うことの出来ないものを、
私の花に期待して下さっている…

この考えを基本とし、
器・デザイン・花のコーディネートという順路をたどって、
企画を決定していきます。


配送では、
避けがちなガラス、
時期的に花の持ちが心配な花材、
可愛い…という母の日のイメージを払拭…
とか…
普通ではない事もトライしてみました。



今回、企画段階でいろいろ頭で考えた事を、
ちらっとお話しますね。
フローリストの裏話です。

ずん胴のシリンダー、しかも結構大きい。
初夏に活躍する可能性大の、
ガラスの器を使った商品を、
プライスリーダーAの6000円に設定
器の代金を考慮すると、
この商品は結構お買い得だったんですよ。

それから、ミドルサイズ。
器はオーソドックスな白の籠。
シェイプは一番素敵ですね。
誰にも好まれる商品をBの4500円に設定

それから
値ごろ感のあるCの3500円
送料を考えるとあまりお花を使えないので、
小さくても綺麗なデザインにこだわりました。
器はスクウェアの白い陶器。
可愛い器です。


デザイン上の大きな冒険は、
グリーンを大胆に使ったこと
特にA/Bのドラセナが中心に入っているのは、
結構すごい事です。
Cは薔薇を一本強調したかったので、
他の花を短くまとめる事に細心の注意をはらいました。

テーマである植木のように…
というのを守り通す為に、
いろいろな誘惑を払いのけました。
このデザインが、
お母様方には、新鮮に感じられたようで嬉しかったです。

花材のコーディネートは、
舞台のキャスティングに似ています。

無難な単色グラデーションではなく、
多色の調和をテーマにしました。
特に何回か使って、
品質的にも日持ちの良い事や、
美しく花が開く事なども実証済みの薔薇-エスタを主演女優に。
パステルイエローのガーベラ-マリブはその重要な友人…というところでしょうか。
この二つは日頃から大のお気に入り。

脇は、
スカビオーサの赤、
デルフィニュームの明るい水色、
パステル単色のカーネーション

グリーンは、
ドラセナは主演俳優。
ポリシャス、レザーファン、マルバルスカス…。
リューカデンドロンはあまり登場回数は無いが、実はキーマン。
キャスティングは整いました。
ンー、なかなかいいぞ!


いろいろな役割、表現方法が決まったところで、
舞台が幕明けです!


こんな事を思いながら、
いつも花と戯れています。

日常は、花に癒しを頂き、慰めてもらってますが、
部屋中に溢れんばかりの花の中に身を置くと、
逆に花のパワーに圧倒されてしまうというか、
妖精の世界に引きずり込まれて、
夢うつつな状態になるんです。

自分に鞭打ち、
我に立ち返っての作業。

不思議な事に、
全ての花が手元から離れた瞬間、
それまで身に余った花のパワーが、
皮膚からじわじわと体内にしみこんでいったではありませんか!!!
この表現まさに的確だと思います。

その後疲れるどころか、
気力がみなぎっています。



長い文章にお付き合い頂きありがとうございます。

もしもよろしければ、
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コメント推奨コラムです★木南有美子
by hanatsudoi | 2007-05-14 09:21 | アンテナ | Trackback | Comments(0)